これを補正するには、光が波長によって屈折率が異なることを利用
すれば良いことに気付きます。光路をプリズムによって少し曲げれば、
波長による屈折率による違いによって、大気による収差が補正される
という仕組みです。
曲げる角度は、高度30度くらいの場合で 2度くらいと、わずかです。
光路をわずかに曲げる機能をもたせたプリズムがウエッジプリズムです
が、ウエッジプリズムを使えば、大気による収差を補正できます。
天体望遠鏡の接眼部に合うように調整されたウエッジプリズムです。

しかし、単品だけでは、高度の変化に対応できません。そのためには、
プリズムを二個組み合わせます。

この構成の場合、1個で2度になるのですが、相互の位置を回転して
調整することにより、0度〜4度までと、比較的広い範囲で使える
ようになります。
バレルについているマークはプリズムの底辺を示しています。
このマークを目印に大まかに調整し、眼視でちょうど良い位置を
探します。
しかし、一個であっても、プリズムの効果は十分に出てきます。
高度30〜40度くらいなら、2度のウエッジプリズムがきれいに
大気差を補正してくれます。
高度 35度くらいの木星像です。

(上: Orion 300mm F4, 笠井 HC Or 12mm, 2度・ウエッジプリズム)
(下: LX200GPS-30, 笠井 HC-Or18mm)
上はウエッジプリズムを使っての画像、下はウエッジプリズムなしの
画像ですが、ウエッジプリズムによって大気差がほぼ補正されています。
しかし、高度45度以上になると、2度のウエッジプリズムでは、逆方向の
色分散が起きます。45〜60度だと、1度のウエッジプリズムが良いと
思われるのですが、悩ましいところです。
まあ、高度が45度以上になれば、大気差の影響も小さくなりますから、
そこまで無理をする必要はなさそうです。
高度が約45度の木星をウエッジプリズムなしで撮影した画像です。

(C9-1/4, TeleVue PL 20mm)
画像処理でB画像のズレを合わせています。道具は便利ですが、道具だけ
でできる限り・・・というのは、逆に無理がくるのかもしれません。
(2005年5月14日 追記)